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パワー半導体の基板埋め込み技術―放熱と寄生インダクタンスを考える

更新:2026年10月12日

パワー半導体基板埋め込み技術

パワー半導体の基板埋め込みは、チップと配線、放熱経路を一体で設計する実装方式です。配線ループを短くできる反面、絶縁、熱膨張、接続部の信頼性、検査や修理の方法が採用判断に関わります。

この記事の内容
  1. 埋め込み構造で評価する項目
  2. 部品を基板の内部に組み込むと、何が変わるか
  3. 短くしたいのは、スイッチング電流の往復経路
  4. 放熱は、半導体から冷却面までつなげて見る
  5. 試作段階で確認したい絶縁と信頼性
  6. 研究開発・回路設計・実験評価の相談

埋め込み構造で評価する項目

項目確認すること判断に使うもの
配線電流が往復するループと接続部インダクタンス・サージ・損失
放熱チップから冷却器までの経路接合温度と熱抵抗
信頼性樹脂・銅・チップの熱膨張差温度サイクルと絶縁
製造加工公差・検査・歩留まり試作できることと量産できること

部品を基板の内部に組み込むと、何が変わるか

部品内蔵基板は、半導体や受動部品を基板の内部に組み込む実装方法です。基板表面に部品を載せる構造に比べ、電流経路を短くできる設計の自由度があります。パワー半導体の高速なスイッチングでは、この配線の形が電圧の跳ね上がりやリンギングに影響します。

ただし、内蔵するだけで熱とノイズの問題がなくなるわけではありません。電流が往復する経路、端子の取り出し、絶縁層、冷却面までを含む構造として評価します。公開研究でも、電気特性に加えて放熱と信頼性を合わせた検討が行われています。部品内蔵技術に関する研究レビュー

短くしたいのは、スイッチング電流の往復経路

寄生インダクタンスによる電圧変動は、電流の変化速度が大きいほど増えます。デバイスと直近のコンデンサを近づけ、電流の往路と復路が囲む面積を小さくすることが基本です。部品内蔵はそのための手段になりますが、コネクタや外部バスバーが長ければ、基板だけを改善しても効果が限られます。

「内蔵基板なら1nH以下」のような一律の数値では比較できません。同じ測定端子、周波数、実装状態で比較し、ゲート電圧と主回路の電圧・電流を実機で測ります。測定プローブの接続が長いと、測定系の振動を回路の現象と取り違えることにも注意が必要です。

放熱は、半導体から冷却面までつなげて見る

発熱した半導体から銅配線、絶縁層、接合部、冷却部材へ熱が流れます。どこに熱抵抗が集中するかを確認し、絶縁を確保しながら経路を設計します。両面冷却を検討できる構造もありますが、内蔵基板すべてに適用できるわけではありません。

温度解析では材料の熱伝導率だけでなく、接触面の状態と実装ばらつきも影響します。解析結果は、温度センサや赤外線計測で確認できる場所と結び付けておくと、試作後に差の原因を調べやすくなります。

試作段階で確認したい絶縁と信頼性

薄く小さくするほど、絶縁距離、放熱、製造性を同時に満たすことが難しくなります。温度サイクルによる材料間の膨張差、接合部の疲労、内部欠陥の検査、故障時の解析方法も設計段階で決めます。内蔵後に部品を交換しにくい点は、表面実装との大きな違いです。

比較試作では、従来構造と内蔵構造に同じ電圧・電流・冷却条件を与え、スイッチング波形、損失、温度上昇を並べます。そのうえで基板製造費、検査費、歩留まりを含め、製品として採用する利点があるか判断します。LinkT&Bでは、パワーエレクトロニクスの回路設計と実験・評価を含む開発相談を受け付けています。

研究開発・回路設計・実験評価の相談

回路設計や試作、実機での評価を支援します。現在の課題と使用条件を伺い、必要な測定や開発の進め方を提案します。

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